お子さんの不登校になり、勉強について悩んでいる親御さんは多いと思います。
不登校の子供が勉強しない(できない)原因は何でしょうか?親としてどう対応すればよいのでしょうか?効果的な勉強方法はあるのでしょうか?
この記事では、これらの疑問に答えるために、不登校の子供が勉強をするために必要なことや、具体的なステップをご紹介します。
不登校の子供が勉強しない原因
不登校になると、学校で習う内容についていけなくなることが心配ですよね。しかし、不登校の子供はある原因から勉強する気力や意欲が低下しています。それでは不登校の子供は、どうして勉強をしなくなってしまうのでしょう?
心身ともに疲れ切っている
不登校になる前に、学校や人間関係にストレスを感じていたお子さんは多いでしょう。そのストレスが限界を超えて、心と体が悲鳴を上げてしまった結果、不登校という選択肢をとったのです。
このような場合、お子さんは今、心身ともにぐったりしています。起きられなかったり、眠れなかったり、気分が落ち込んだりすることもあるでしょう。
そんな状態では、勉強に向かう気力や集中力はありません。まずは心と体の回復を優先させる必要があります。
勉強する意味が見出せず、やる気が起きない。
学校に行っても楽しくないことばかりだったお子さんは、勉強することに意味や価値を感じられません。自分の将来や夢も見えなくなってしまったかもしれません。
そんなお子さんにとって、勉強はただ苦痛で面倒なものです。自分から進んで取り組む気持ちには程遠くなってしまいます。
この場合は、お子さんが興味や関心を持てることや得意なことを見つけてあげることが大切です。それがきっかけとなって、勉強する意味や楽しさを再発見できる可能性があります。
勉強の方法がわからず、どうすればよいか迷ってしまう。
学校から離れてしばらく経つと、学校で進められるカリキュラムから取り残されてしまいます。
特に英語や数学などは基礎的な知識や技能が必要で、一度遅れると追いつくのが難しくなります。
自分で勉強する方法や資料もわからず、質問や相談できる人も周りにいません。
そうすると、勉強すること自体が億劫に感じられてしまいます。
学習に対して過度な期待やプレッシャーを感じる
不登校の子供は、親や教師から「早く学校に行け」「成績を上げろ」「進路を決めろ」などと言われることで、学習に対して過度な期待やプレッシャーを感じます。
これは子供の自主性や自信を奪ってしまいます。
また、周りの友達や同級生と比較されたり、「遅れ」を指摘されたりすることで、自分はできないと思い込んでしまうのです。
自己肯定感が低下して挑戦する気力が失われている。
自己肯定感とは、自分は大切な存在だと思える心の状態です。自分を肯定している感覚や感情を指します。
不登校の子供は、自分に価値がないと感じており、自分を否定してしまっています。
学校に行けないことや勉強しないことで、親や教師から叱られたり、周りから見下されたりすることで、自己肯定感がさらに低下してしまいます。
自己肯定感が低いと、自信がなくなり、挑戦する気力も失われてしまいます。
不登校の子供が勉強しない原因は複数ありますが、親がサポートすることで克服できる場合もあります。不登校の子供が勉強するために親ができることについて考えてみましょう。
不登校の子供が勉強をするために親ができること
不登校の子供が勉強に取り組むためには、親の対応も重要です。親ができることは以下の通りです。
無理をせずに回復を優先させる
不登校になる前に、学校や人間関係にストレスを感じていた子どもは多いものです。そのストレスが限界を超えて、心と体が悲鳴を上げてしまった結果、不登校という選択肢をとったのです。
このような場合、子どもは今、心身ともに疲れ果てています。起きられなかったり、眠れなかったり、気分が落ち込んだりすることもあるでしょう。
そんな状態では、勉強に向かう気力や集中力はありません。まずは心と体の回復を優先させる必要があります。
無理をせずに、子どものペースや体調に合わせて、ゆっくり休息を取らせましょう。勉強に対して無理やり押し付けたり、責めたりすることは避けてください。
親は優しく見守って、子どもが回復するまで時間をかけて支援することが大切です。
勉強の遅れを心配しすぎない
「お子さんの勉強が遅れている」という状況に対して、親は過剰に心配する必要はありません。
数ヶ月や数年の遅れは、お子さんの人生の中でわずかなものであり、後から取り戻すことができます。
過度の心配は、お子さんにとって逆効果になることがあるため、親は冷静な対応を心掛けることが大切です。
お子さんが勉強する意欲や自信を持つことができれば、学力は自然と向上していきます。だからこそ、親は子供たちの成長を楽しみながら、柔軟に対応していくことが必要です。
「趣味を通して学ぶ」
お子さんが生き生きとしている瞬間は、自分の好きなことをしている時かもしれません。例えば、お絵描きや音楽に熱中している時、スポーツに打ち込んでいる時、または語学学習に没頭している時などです。
親は、お子さんが自分の好きなことに集中できるようにサポートし、機会を提供することが大切です。たとえば、お子さんがギターを演奏するのが好きであれば、音楽教室に通うことを提案することができます。また、お子さんが動物が好きなら、動物園やペットショップに連れて行くこともできます。
このような趣味を通して、お子さんは自分自身を表現する方法を学び、自己成長を促すことができます。また、自分が興味を持つことを通じて、学ぶことの楽しさや重要性を再発見するかもしれません。
私たちの周りには、多くの学びの機会があります。例えば、お散歩をしながら自然や文化を学ぶこともできます。また、旅行や留学を通じて、新しい言語や文化を体験することもできます。
親は、お子さんが学びの機会を逃さず、自分の興味を追求することができるようにサポートすることが大切です。そうすることで、お子さんが自信を持って、自分の可能性を広げることができます。
生活リズムを整える
学校に行かない生活は、リズムを崩しがちになります。健康のためにも、生活リズムを整えることが大切です。
毎朝同じ時間に起きたり、散歩や体操などで体を動かしたりするようにしましょう。就寝前に刺激となるスマートフォンやパソコンの光を見ないことも重要です。
しかし、何をしても朝起きられなくて不登校になっている場合には、「起立性調節障害」の可能性もあります。起床困難や午前中の不調といった症状が出るようであれば、血圧の調整がうまくいっていないのかもしれません。
早めに医療機関を受診することをおすすめします。
学習環境を整える
お子さんの部屋や学習スペースが散らかっていないでしょうか?部屋が散らかっていると、勉強しようとしても落ち着いて取り組むことができません。
ある家庭では、不登校の息子が勉強するために、静かで落ち着いた勉強スペースを設け、必要な学用品を揃え、整理整頓しました。その結果、息子が勉強に取り組む意欲が高まり、勉強の成果も出るようになりました。
家庭の中で、学習環境を整えることは、子供たちが勉強に集中しやすくするためにとても大切なことです。
まずは、環境を整えることから始めてみましょう。お子さんに協力してもらって、一緒に片付けるのもいいですね。
学習のサポートをする
不登校の子供が勉強に取り組むためには、家庭での学習環境を整えることが大切ですが、同時に学習のサポートをすることも重要です。
まず、学校から配布された課題や教材を定期的に確認し、子供が抱える学習上の問題点や困難を理解することが必要です。さらに、学校からの連絡事項もチェックし、子供が学校での授業や行事について抱える疑問点や不安を解消することができます。
子供が学習に関する質問をした場合は、丁寧に答えることが大切です。質問に対して正確かつ分かりやすく答えることで、子供が学習に対する自信を持つことができます。また、子供の学習の進捗をフォローアップし、進歩や課題を共有することで、子供が学習に取り組む意欲を高めることができます。
不登校の子供をサポートするためには、学習環境の整備とともに、学習のサポートも必要です。家庭での学習において、子供が抱える悩みや問題を一緒に解決していくことで、子供の自信や成長を促すことができます。
不登校の子供が勉強をするようになるための具体的なステップ
不登校の子供が勉強をするようになるためには、以下のようなステップを踏むことが効果的です 。
勉強する目的や意義を明確にする
不登校の子供は、「勉強しなくてはいけない」という義務感ではなく、「勉強したい」という自発性が必要です。そのためには、「勉強する目的や意義」を明確にすることが大切です。
子供は未来のことよりも今のことに興味があります。だから、「大人になったら困る」と言われても勉強したくなりません。子供が勉強したくなるようにするには、「今」役立つ目的を見つけてあげることが大切です。
目的があれば、「何故?」や「どうして?」という疑問や興味も湧きやすくなります。それは学ぶ力や集中力を高める効果があります。
また、「今」役立つ目的だけでなく、「将来」役立つ目的も一緒に考えてあげましょう。
目的を持つだけでは足りません。具体的で達成可能な目標も必要です、目標は小さく分割して段階的に設定しましょう。そして、目標を達成したら自分や子供を褒めてあげましょう。達成感は自信やモチベーションにつながります。
目標を持つことで、自分がどんな人生を歩みたいかも見えてきます。「将来どんな仕事をしたいか」「どんな人になりたいか」など、夢や目標をお子さんと一緒に考え、そして、その夢や希望に近づくために必要な勉強は何かを考えましょう。
勉強する内容や方法を決める
勉強する目的や意義が明確になったら、次は勉強する内容や方法を決めることが必要です。
お子さんがどの教科や分野に興味があるのか、どのようなレベルやペースで学びたいのか、どのような教材やツールを使いたいのか、などを聞いてみましょう。
お子さん自身が選択したり、提案したりすることで、勉強への関心や責任感が高まります。また、親もお子さんの学習状況や進度を把握しやすくなります。
ただし、お子さんに任せすぎると、計画性や効率性に欠けることもあります。親は適度にアドバイスしたり、サポートしたりすることが大切です。
勉強する時間や場所を決める
勉強する内容や方法が決まったら、次は勉強する時間や場所を決めることが必要です。
お子さんは一日にどれくらい勉強したいのか、どんな時間帯に勉強したいのか、どこで勉強したいのか、などを考えてみましょう。
お子さん自身が決めた時間や場所であれば、勉強へのモチベーションも上がります。また、親もお子さんの生活リズムや学習環境を整えることができます。
ただし、お子さんに任せすぎると、無理な時間割や不適切な場所で勉強することもあります。親は適度に調整したり、提案したりすることが大切です¹²。
勉強する習慣を作る
勉強する時間や場所が決まったら、次は勉強する習慣を作ることが必要です。
お子さんは毎日同じ時間に同じ場所で勉強するようにしましょう。それが定着すれば、自然と勉強モードに入れるようになります。また、親もお子さんの学習管理やサポートをしやすくなります。
ただし、お子さんに無理させると、ストレスや反発を招くこともあります。親は適度に柔軟性を持ったり、励ましたりすることが大切です。
勉強した成果や努力を認めてあげる
最後に忘れてはならないのは、勉強した成果や努力を認めてあげることです。
お子さんは少しずつでも成長しています。その成長を見逃さずに褒めてあげましょう。それが自信や自己肯定感につながります。
まとめ
不登校のお子さんが勉強するようになるためには、どうしたらいいでしょうか?親の対応やサポートが重要です。具体的には、
- お子さんの心と体の回復を優先させる
- 勉強の目的や意義を明確にする
- 勉強する内容や方法、時間や場所、習慣を決める
- 勉強した成果や努力を認める
などが大切です。
お子さんの様子やそれぞれの家庭の状況などを見ながら出来ることをひとつひとつ試してみましょう。
不登校のお子さんが勉強しないのにはそれぞれ理由が隠れています。勉強したいと思えるようになるためには、親の理解と支援が必要です。親が適切なサポートをすることで、お子さんも勉強する気持ちになる可能性があります。
今回の記事はお役に立ちましたでしょうか?少しでも参考になれば幸いです。また興味があれば他の関連記事もあわせてお読みいただければ幸いです。
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