不登校の子どもを持つ親御さん必見!子どもの心に寄り添うコミュニケーション術
不登校の子供を持つ親御さんは、毎日悩んでいることでしょう。子どもが学校に行かない理由は何なのか?自分は何か間違ったことをしてしまったのではないか?子どもとどう接すればいいのか?そんな疑問や不安が頭をよぎることでしょう。
私も不登校の子どもを持つ一人の親です。私は心理士として、不登校の子どもやその家族に対してカウンセリングや支援を行っていますが、自分の子どもが不登校になったときは、正直パニックになりました。私は専門家だからと言って、全てを解決できるわけではありません。私も他の親御さんと同じように、悩み苦しみました。
しかし、その経験から学んだことがあります。それは、不登校の子どもに対して最も大切なことは、心に寄り添うコミュニケーションを取ること」だということです。
この記事では、私が実践したコミュニケーション術を紹介します。これらの方法は、文部科学省などの調査や事例に基づいていますし、自ら不登校だった子どもたちが「大人にしてほしかった」と言っていることでもあります。
あくまでもこれらは参考例ですから、すべてを真似する必要はありません。しかし、少しでも参考になればと思っています。
子どもが好きなことや得意なことを見つけて褒める
不登校の子どもは自己肯定感が低く、「自分はダメだ」「自分には何もできない」と思っています。そのため、「自分は価値がある」「自分には良い点がある」と感じられるようにすることが重要です。
そのためには、「子どもが好きなことや得意なことを見つけて褒める」ことです。
ポイントは、
- 具体的に褒める
- 過度ではなく適度に褒める
- 否定的ではなく肯定的に褒めることです。
「ダメだったけど頑張ったね」というような否定的な褒め方は避けましょう。子どもは親の言葉に敏感ですから、自分の努力が認められていないと感じてしまいます。
また、褒めるときには、目を見て笑顔で話すことも大切です。視線や表情が合わないと、子どもは親の言葉に信頼感を持てません。子どもの目を見て、「本当に素晴らしいよ」という気持ちを伝えましょう。
子どもの気持ちを聞いて受け止める
不登校の子どもは、学校や友達、家族などに対して様々な感情を抱いています。怒りや悲しみ、恐怖や孤独などです。しかし、それらの感情を表現することができずに溜め込んでしまっています。そのため、「自分の気持ちは誰にもわかってもらえない」「自分は一人ぼっちだ」と思っています。
そのためには、「子どもの気持ちを聞いて受け止める」ことです。
ポイントは、
- 質問ではなく共感する
- 否定ではなく肯定する
- 解決策や答えを与えるのではなく話に耳を傾ける
「そんなことで悩む必要ないよ」「学校に行けば楽しいよ」「友達や先生が悪いんじゃない?」というような否定的や解決策的な話し方は避けましょう。子どもは親が自分の気持ちを理解してくれることを望んでいますから、そういう話し方では逆効果です。
また、聞くときには、相槌やうなずきで相手の話に興味を示すことも大切です。無言や無表情だと、子どもは親が自分の話に興味が無いと感じてしまいます。子どもの話に耳を傾けて、「そうだったんだ」「わかるよ」という気持ちを伝えましょう。
子どもから離れすぎず近付きすぎず
不登校の子どもは、親から離れすぎることでも近付きすぎることでもストレスを感じます。「放置されてる」「束縛されてる」と思っています。
そのためには、「子どもから離れすぎず近付きすぎず」適度な距離を保つことが大事です。
などです。ポイントは
- 選択肢を与える
- 関心を示す
- 安心感を与える
- プレッシャーをかけない
です。「勉強しなさい」「外に出なさい」「早く治しなさい」というような命令的や強制的な話し方は避けましょう。子どもは親が自分の意思やペースを尊重してくれることを望んでいますから、そういう話し方では反発します。
また、離れすぎるときには、定期的に連絡や声掛けをすることも大切です。長時間無視や無関心だと、子どもは親が自分の存在や状況に興味が無いと感じてしまいます。子どもの様子や気持ちに気づいて、「元気?」「心配してるよ」という気持ちを伝えましょう。
子どもと一緒に楽しい時間を過ごす
不登校の子どもは、学校や社会から孤立しています。そのため、「自分は誰ともつながっていない」と孤独感を感じてしまいます。
そのためには、「子どもと一緒に楽しい時間を過ごす」ことが大事です。
などです。ポイントは、
- 共通の趣味や興味を見つける
- 笑顔や笑い声を出す
- 感謝や愛情を伝える
ことです。「勉強しなさい」「外に出なさい」というような義務的な話し方は避けましょう。子どもは親が自分の好きなことや楽しいことを一緒にしてくれることを望んでいますから、そういう話し方では嫌気がさします。
また、小さなお子さんであれば楽しい時間を過ごした後には、「ありがとう」「楽しかったよ」「大好きだよ」と言って抱きしめることも大切です。子どもは親が自分のことを感謝してくれることや愛してくれることを感じると、自信や安心感が高まります。子どもの笑顔や幸せを見て、「本当に良かったね」という気持ちを伝えましょう。
子どもに適度な責任感や自立心を育てる
不登校の子どもは、学校や社会から離れています。そのため、「自分は何もできない」「自分は必要とされていない」と思っています。
そのためには、「子どもに適度な責任感や自立心を育てる」ことです。
などです。ポイントは、頼むではなく任せることです。子供に任せるのは不安と思う方もいますがそれでは責任感や自立心が育てられません。
また、「しなさい」というような命令的な話し方は避けましょう。子どもは親が自分に信頼してくれることや尊重してくれることを望んでいますから、そういう話し方ではプレッシャーを感じます。
また、責任感や自立心を育てた後には、「すごいね」「よくできたね」と言って褒めることも大切です。子どもは親が自分のことを評価してくれることや誇りに思ってくれることを感じると、自己肯定感や達成感が高まります。子どもの成長や努力を見てあなたの気持ちを伝えましょう。
まとめ
以上、不登校の子どもに対する親の話し方のコツを5つご紹介しました。不登校の子どもは、親からの言葉に敏感ですから、話し方ひとつで子どもの気持ちや行動が変わります。親は子どもに対して今回紹介した5つのステップを意識して話しかけてみましょう。そうすることで、不登校の子どもは、
- 自信や安心感を持つ
- 自分の気持ちや考えを表現する
- 親との関係や社会とのつながりを築く
- 好奇心や興味を持つ
- 責任感や自立心を持つ
ようになります。不登校は一朝一夕に解決する問題ではありませんが、親が子どもに寄り添って話しかけることで、少しずつ改善していく可能性があります。不登校の子どもに対する親の話し方は、子どもだけでなく親自身にとっても大切なスキルです。ぜひ参考にしてみてください。
(参考)
不登校児童生徒の実態把握に関する 調査報告書 – 文部科学省
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